日本は地震大国として知られ、建築基準法による耐震基準も過去の震災を教訓に幾度となく改正されてきました。特に山梨県は南海トラフ地震の影響も予想される地域であり、住宅の耐震性への関心も高まっています。古民家などの築年数の古い住宅では、建築当時と現代の耐震基準に大きな違いがあり、安全性を確保するためにはリフォームや耐震補強工事が不可欠となる場合があります。

山梨県山梨市で新築・リフォーム・古民家リノベーションを手がける三嶋工務店です。山梨市、笛吹市、甲州市をはじめとした山梨県内で、お客様に寄り添う設計と施工を20年間にわたって提供してまいりました。
この記事では、古民家と現代住宅の耐震基準の違いを詳しく解説し、山梨県における築年数別のリフォーム対策について具体的にご紹介します。
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耐震基準の変遷と歴史的背景
日本の耐震基準は、大地震による被害を教訓として段階的に強化されてきました。特に重要な節目となったのが昭和56年(1981年)の改正で、この前後で建物の耐震性能に大きな違いが生まれています。
旧耐震基準(昭和56年5月31日以前)
旧耐震基準は、震度5程度の中規模地震に対して建物が倒壊しないことを目標として設定されていました。しかし、この基準では大地震への備えが十分ではなく、昭和53年(1978年)に発生した宮城県沖地震では、多くの建物が被害を受けました。
新耐震基準(昭和56年6月1日以降)
新耐震基準では、中規模地震に加えて大地震への対応も明確に規定されました。震度6強から7程度の大地震でも建物が倒壊・崩壊しないことを目標とし、人命の安全確保を最優先としています。
2000年基準(平成12年)の追加強化
平成7年(1995年)の阪神・淡路大震災を受けて、平成12年(2000年)に建築基準法がさらに改正されました。特に木造住宅の耐震性向上に重点が置かれ、地盤調査の実質義務化、基礎の仕様強化、接合部の補強が明確に規定されました。
古民家と現代住宅の構造的違い
古民家と現代住宅では、建築構法や使用する材料に根本的な違いがあります。これらの違いを理解することで、適切なリフォーム計画を立てることができます。
古民家の伝統構法
一般社団法人全国古民家再生協会では、古民家を「昭和25年の建築基準法制定時に既に建てられていた伝統的建造物の住宅」と定義しています。伝統構法は金物を使わず、木組みのみで建物の耐力を生み出す工法です。
・基礎は石場建て(石の上に直接柱を置く)
・釘や金具を使わない木組み構造
・柱と梁を継手・仕口で接合
・土壁による調湿・断熱機能
・地域の気候風土に適応した設計
伝統構法は地震の揺れを建物全体で柔軟に受け流す「免震的」な考え方で設計されており、適切にメンテナンスされた古民家では100年以上の長寿命を実現しています。
現代住宅の在来工法
現代の木造住宅で主流となっている在来工法は、基礎にコンクリートを使用し、柱と梁の接合部に金物を用いて剛性を高める構法です。
参照:一般社団法人全国古民家再生協会「古民家の定義について」
山梨県の築年数別リフォーム対策
山梨県は盆地特有の寒暖差が激しい気候と、南海トラフ地震の影響も想定される地域的特性があります。築年数に応じた適切なリフォーム対策が重要です。
築50年以上の古民家
築50年以上の古民家は旧耐震基準で建築されており、現代の耐震基準を満たしていない可能性が高い状況です。山梨県内の古民家では、特に以下の対策が必要です。
・耐震診断の実施(建物の現状把握)
・基礎の補強(石場建てからコンクリート基礎へ)
・断熱性能の向上(山梨県の寒暖差対策)
・シロアリ対策・木部保護
・水回り設備の現代化
古民家リノベーションでは、伝統的な美しさを保ちながら現代の快適性を両立させることが重要です。山梨県では、古民家を宿泊施設や店舗に活用する事例も増えており、地域活性化にも貢献しています。
築30~50年の住宅
この年代の住宅は新耐震基準で建築されていますが、2000年基準の強化項目は満たしていない可能性があります。
築20~30年の住宅
2000年基準で建築された住宅でも、経年劣化や設備の更新時期を迎えているケースがあります。予防的なメンテナンスが重要な時期です。
耐震診断と補強工事の進め方
山梨県では、昭和56年以前に建築された住宅に対する耐震診断や補強工事への補助制度を設けている市町村があります。適切な手順で進めることが重要です。
耐震診断の流れと費用
耐震診断は建物の現状を正確に把握し、必要な補強工事を検討するための重要な手順です。国土交通省では、昭和56年以前の建築物については耐震診断の実施を推奨しています。
参照:一般財団法人日本耐震診断協会「義務化される耐震診断について」
補強工事の方法と効果
耐震診断の結果、上部構造評点が1.0未満の場合は耐震補強工事が必要となります。古民家では、その建物の特性を活かしながら段階的に補強を行うことが重要です。
山梨県内の古民家では、以下のような補強方法が効果的です。
基礎の補強
石場建てからコンクリート基礎への変更
壁の補強
土壁の上に合板や筋交いを追加
接合部強化
金物による柱と梁の接合部補強
屋根軽量化
重い瓦屋根から軽量素材への変更
制震・免震装置
伝統構法を活かした制震ダンパー設置
補強工事では、古民家本来の魅力である大きな梁や柱を活かしながら、現代の耐震基準を満たす性能を実現することが可能です。山梨県の気候に配慮した断熱改修も同時に行うことで、より快適な住環境を創り出すことができます。
安全で快適な住まいづくりのために
古民家と現代住宅では、建築当時の耐震基準に大きな違いがあることがおわかりいただけたでしょうか。特に山梨県では、地震への備えとともに厳しい寒暖差への対策も重要な要素となります。
築年数に応じた適切なリフォーム計画を立てることで、古民家の魅力を活かしながら現代の安全基準を満たす住まいを実現することが可能です。三嶋工務店では、山梨県内の地域特性を熟知した経験豊富な職人が、お客様一人ひとりのご要望に寄り添った施工を提供いたします。
古民家リノベーションや耐震補強工事をお考えの際は、まずは現状の建物診断から始めることをお勧めいたします。適切な診断に基づいた計画的なリフォームで、末永く安心してお住まいいただける住環境を整えてまいります。











