
山梨県で新築住宅やリフォームをお考えの方にとって、地域の気候特性を理解することは快適な住まいづくりの第一歩です。盆地特有の寒暖差が大きい気候は、住宅の断熱性能や設計に大きく影響します。夏は40度を超える猛暑、冬は氷点下まで冷え込む厳しい環境下でも、一年中快適に過ごせる住まいをつくるためには、地域に合った適切な対策が欠かせません。
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山梨市に拠点を構える三嶋工務店は、平成19年の創業以来、山梨県内を中心に戸建て住宅やアパート、店舗、宿泊施設などの新築工事およびリフォーム工事を手がけてきました。山梨市や笛吹市、甲州市など地域の気候特性を熟知し、寒暖差の大きい山梨県の環境に適した住まいづくりをご提案しております。地域の皆様が一年を通して快適に過ごせる住空間を実現するため、断熱性能や通風計画にこだわった施工を行っています。
山梨県の気候特性と住宅への影響
山梨県の気候は、住宅の設計や性能に大きな影響を与えます。盆地特有の内陸性気候により、他の地域とは異なる特徴があり、それに応じた対策が求められます。
⛅盆地特有の寒暖差が大きい気候
山梨県は四方を山に囲まれた盆地地形により、太平洋側気候と内陸性気候の特徴を併せ持ちます。日本列島の太平洋側に位置しながら、海から離れているため内陸性が顕著に現れ、特に盆地では気候の内陸性が顕著な「盆地気候」となっています。この地形的特徴により、夏と冬の温度差が激しく、昼夜の気温差も大きいことが最大の特徴です。
甲府の年平均気温は約14.7℃、年降水量は約1,135mmとなっており、標高によって気候風土が大きく異なります。甲府市内は標高250m程度ですが、八ヶ岳や富士五湖の別荘地では標高1,300m程度となり、山間部では気温も低く積雪も多い傾向にあります。
🌞夏の高温と強い日射
夏季の山梨県は、日本でも有数の暑さを記録します。御坂山地や南アルプスを越えて甲府盆地へ吹き降ろす風がフェーン現象を発生させ、盆地特有の暖気が逃げにくい特徴も加わり、猛烈な暑さとなります。甲州市勝沼では2013年に最高40.5℃を記録するなど、極端な高温に見舞われることがあります。
ただし、夜になると盆地斜面に近い空気が地面に熱を奪われて冷えていき、さらに斜面から冷えた空気が甲府盆地へ溜まっていくため、気温がぐっと下がります。この昼夜の寒暖差は、住宅の断熱性能や冷房計画を考える上で重要な要素となります。
⛄冬の厳しい冷え込み
冬季は厳しい寒さが続き、放射冷却によって熱が逃げてしまうため、氷点下まで冷え込む日も少なくありません。甲府市内の積雪量は10cm以下と比較的少ない傾向にありますが、山間部では積雪も多くなります。標高800m以上の地域は高冷地と定められており、特に秋冬の冷え込みに注意が必要です。
穏やかに晴れた朝には「朝曇り」と呼ばれる下層雲が甲府盆地に広がることがあります。これは夜間の気温低下によって空気中の水分が凝結して雲を作ったもので、周囲の山地よりも低い高度で発生します。このような気象現象も、住宅の結露対策を考える上で考慮すべき要素です。
山梨県の気候に適した住宅づくりのポイント
寒暖差の大きい山梨県で快適な住まいをつくるには、地域の気候特性を踏まえた適切な設計と施工が不可欠です。ここでは、実際に効果的な対策をご紹介します。
■高断熱・高気密性能の重要性
山梨県のような寒暖差の大きい地域では、高断熱・高気密性能が住宅の快適性を大きく左右します。断熱性能を高めることで、外気の影響を受けにくくなり、冷暖房効率が向上します。冬は室内の暖かい空気を逃がさず、夏は外からの熱の侵入を抑えることができます。
断熱性能の向上により、部屋間の温度差が小さくなるため、廊下や浴室との温度差によるヒートショックのリスクも軽減されます。また、結露やカビの発生を抑えられるため、住宅の耐久性向上にもつながります。山梨県は地域区分で5地域または6地域に該当し、断熱等級4以上の性能が推奨されます。
■日射遮蔽と通風計画
夏の強い日射に対しては、適切な日射遮蔽が重要です。庇や軒の出を深くする、窓に遮熱性の高いガラスや断熱性能の高いサッシを採用するなどの対策が効果的です。また、夏場は夜間に気温が下がる特性を活かし、風通しの良い間取りを計画することで、自然の涼しさを取り入れることができます。
南側の窓は冬の日射取得に有利ですが、夏は過度な日射を防ぐ工夫が必要です。季節に応じた日射角度を考慮し、庇の長さを調整することで、冬は日射を取り入れ、夏は遮ることができます。
■結露・湿気対策
昼夜の寒暖差が大きい山梨県では、結露が発生しやすい環境にあります。特に冬季の朝は「朝曇り」が発生するほど湿度が高くなることがあり、適切な湿気対策が必要です。高断熱・高気密化と併せて、計画的な換気システムの導入が推奨されます。
調湿性能のある自然素材を内装に使用することも効果的です。木材や珪藻土などの素材は、室内の湿度を調整する機能を持ち、結露の抑制に貢献します。三嶋工務店では、こうした自然素材を活かした家づくりにも対応しており、「木」を活かした家づくりの施工実績も豊富です。
山梨県内の地域別特徴と住宅対策
山梨県内でも、地域によって気候特性や住宅に求められる性能が異なります。地域ごとの特徴を理解し、適切な対策を講じることが大切です。
山梨市・甲府市周辺の特徴
「参照:甲府地方気象台」
山梨市や甲府市周辺は、甲府盆地の中に位置し、盆地気候の特徴が顕著に現れます。年間を通して寒暖差が大きく、夏は猛暑、冬は厳しい冷え込みに見舞われます。住宅づくりにおいては、高断熱・高気密性能を確保し、冷暖房効率を高めることが重要です。
また、朝曇りが発生しやすい地域特性を考慮し、結露対策と計画的な換気システムの導入が推奨されます。三嶋工務店では、こうした地域特性を熟知した施工を行っており、水回りのリフォームではトイレリフォームなどでも結露や湿気に配慮した施工を実施しています。
■笛吹市・甲州市の特徴
笛吹市や甲州市は、ぶどうや桃などの果樹栽培が盛んな地域です。寒暖差の大きい気候がフルーツの生育に適しており、昼夜の温度差が大きいことが特徴です。甲州市の年間平均気温は約14℃で、日照時間も長く、降水量は年間約1,100mmとなっています。
住宅においても、この寒暖差に対応した設計が求められます。断熱性能を高めることで、エネルギー効率の良い快適な住環境を実現できます。また、日照時間が長い特性を活かし、太陽光発電などの再生可能エネルギーの導入も検討する価値があります。
山梨県内でも地域によって標高や気候が異なるため、それぞれの特性に合わせた住宅設計が大切です。三嶋工務店は山梨市を拠点に、笛吹市、甲州市など各地域の気候特性を理解し、最適な住まいづくりをご提案しております。
断熱性能向上がもたらすメリット
断熱性能を向上させることは、快適性の向上だけでなく、健康面や経済面でも大きなメリットがあります。ここでは、具体的なデータをもとに断熱性能の重要性を解説します。
■健康への効果
夏の熱中症予防
発生場所:夏の熱中症救急搬送者の発生場所は「住居」が第1位で、全体の約4割を占めています。高断熱住宅では室温の上昇を抑え、熱中症のリスクを軽減できます。
ヒートショック予防
温度差の影響:冬の部屋間の温度差は血圧の急激な上昇・下降を引き起こし、ヒートショックによる事故につながります。高断熱化により部屋間の温度差が小さくなります。
結露・カビ対策
室内環境改善:断熱性能が高い住宅は室内環境が安定し、結露やカビ、ダニの発生を抑えられます。アレルギー症状の軽減にもつながります。
■光熱費削減効果
断熱性能の違いによって、年間の冷暖房費は大きく変わります。家の断熱性能が低い場合と高い場合では、年間の冷暖房費が3倍近く違うというデータもあります。高断熱住宅では冷暖房機器の使用を抑えられるため、月々の光熱費が下がり、長期的に見て経済的です。
また、2025年度以降は、すべての新築建物で断熱等級4への適合が義務付けられることになっており、省エネ性能の向上が社会全体の課題となっています。既存住宅についても、断熱リフォームによって性能を向上させることで、快適性と経済性の両立が可能です。
■断熱等級の基準
「参照:国土交通省」
現行の断熱基準4を満たしている住宅は、既存住宅ストックの約10%程度とされており、約90%の住宅は断熱性能の強化が必要な状態です。1979年以前に建てられた家屋は無断熱である可能性が高く、1980~1998年に建てられた家も断熱性能のレベルは高いとはいえません。リフォームによって断熱性能を向上させることで、快適性と省エネ性を大きく改善できます。
快適な住まいづくりは地域特性の理解から
山梨県の盆地特有の寒暖差が大きい気候は、住宅の性能に大きな影響を与えます。夏は40度を超える猛暑、冬は氷点下まで冷え込む厳しい環境でも、高断熱・高気密性能を確保し、適切な日射遮蔽と通風計画、結露対策を講じることで、一年中快適に過ごせる住まいを実現できます。
三嶋工務店は、山梨市を拠点に山梨県内の気候特性を熟知し、地域に適した住まいづくりを提案しています。新築工事からリフォーム工事まで、お客様の理想とする快適な住空間を実現するため、丁寧な施工を心がけています。山梨市、笛吹市、甲州市をはじめとする山梨県内で、新築やリフォームをお考えの方は、ぜひお気軽にご相談ください。















